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胃がん胃がんは、男性の罹患率1位、女性の3位です。また、死亡数では、男性は2位、女性は3位です。 死亡者数は減少していますが、まだ重要ながんということができます。 胃がんは、40歳を過ぎると少しずつ増加してきます。 胃がんの検査法としては、バリウムを使った胃造影検査と胃内視鏡検査があります。 がんの早期発見には”内視鏡検査”に軍配が上がります。胃がん検診でも、胃内視鏡検査の方が発見率が高いようです。
ところで、胃がんになりやすい人はいるのでしょうか? 実は、胃がんの原因の多く(95%以上)は、ピロリ菌感染症が関連しているということが分かって きました。つまり、ピロリ菌感染している人は、少なくとも50歳をこえてから、1〜2年に1回は胃内視鏡検査を受けた方が良いということです。 その根拠として大切な報告があります。それは、ピロリ菌に感染している人と感染していない人を10年間経過をみたところ、感染している 人では、年間2.9%に胃がんが発生したのに対し、感染していない人では、胃がんは発生しなかったという報告です。(下図) (図3-1)
ピロリ菌感染症について、簡単に説明しておきましょう。ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ菌)は1983年オーストラリアのウォーレンと マーシャルによって発見されました。 二人は2005年ノーベル医学生理学賞を受賞しています。 以前は、胃は強酸のため菌は住めないといわれていたのですが、ピロリ菌はアンモニアを発生して胃酸から自分の身を守るシステムを 持っているのです。ピロリ菌は歯垢や便中にいることが分かっており、乳幼児期に感染し、その後は持続感染が続きます。 5才頃までに感染し、その後はほとんど新しい感染はしないとのことです。 感染の後、胃炎を起こし、胃潰瘍、十二指腸潰瘍の原因となります。また、胃炎を背景に胃がんの原因となります。除菌療法によって 胃がんリスクは減少すると考えられますが、3分1程度リスクが残る可能性があります。理想的には、20歳の除菌療法が最も良いと 考えれれている様です。 胃がんのり97%は50歳以上に発生します。つまり、50歳以上でピロリ菌陽性の人は、年に1回の胃内視鏡検査がすすめられると いうことです。
・ピロリ菌は5才までに感染し、その後は新たな感染は、ほとんどないといわれています。 ・胃・十二指腸潰瘍の原因はNSAIDS潰瘍(痛み止めによる潰瘍)を除けばほとんどピロリ菌が原因です。除菌によって潰瘍の再発は ほとんどおさえる事ができます。 ・胃がんの発生を抑えるには20才頃の除菌が理想的といわれています。 ・ピロリ菌感染のない胃がんは、ほぼ0%です。つまり胃がん検診は、ピロリ菌感染症のみに行うのが効率がいいと考えられます。 ・例外は、ピロリ菌が住めなくなったが、萎縮の強い胃炎から生じる胃がんです。それは、胃粘膜萎縮の指標としての ペプシノゲン法(PG法、血液検査)で調べることができます。
上の表の様に、A群は、ピロリ菌も存在せず、胃粘膜萎縮もない症例であり、約50%存在する。これらの症例からは、ほとんど 胃がんは発生しないと考えられます。そのことは、下の表のように10年間以上の経過をみても胃がんは発生しなかったとのことより ほぼ証明されています。
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